抄録
近年,世界でスマートフォンの普及とアプリケーションの利用の広まりに伴い,アプリ市場は急成長を見せている.アプリ市場は今後も更なる発展をしていくと予測される.その一方で,ITサービス企画開発の失敗の原因として代表的なのが"顧客ニーズの把握不足"である.そこで,素早い提案とコミュニケーションを重視した顧客主導型の企画方法としてリーン・スタートアップに注目した.本研究では,従来の企画方法や開発方法とリーン・スタートアップを比較し,リーン・スタートアップをプロトタイプ開発と組み合わせてITサービス企画開発を実践した.ITサービス企画開発の対象は,大人数に対するイベントの発信を目的とした"共有カレンダー"である.開発には,"Application Craft"と"Parse"という2つのツールを使用した.ITサービス企画開発や使用したツールの効果についての分析の結果,ITサービス企画開発が成功するための要素をいくつか得ることができた.一方で,さらに検討していかなければならない課題についても考察した.