プロジェクトマネジメント学会誌
Online ISSN : 2433-3069
Print ISSN : 1345-031X
時間経過を考慮したFTAを用いた定量的リスクマネジメント手法の提案
劉 功義横山 真一郎満尾 公亮
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2014 年 16 巻 5 号 p. 46-52

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抄録

プロジェクトのリスクには,原因とそれにより引き起こされるリスク事象,さらに他への影響といった個々のリスクの因果関係や,複数のリスク間の関係性で示されるリスクの構造がある.またプロジェクトの状況変化に応じて,発生する可能性のあるリスク事象やリスクがプロジェクトへ与える影響の度合いが変化する.それらの情報を明確に定義できれば,特定のリスク事象発生の原因把握と影響評価が可能となり,リスク発生前の効果的な対応が容易となる.さらに,時系列的に変化するリスクの発生確率や影響度合いを定量的に把握することにより,適切な時期での対応が可能となる.そのためには,プロジェクトに影響を与えるに至るリスクの構造を可視化し,時間経過に応じて定量的に管理する方法が必要となる.そのため本研究では,時間経過を考慮したFT(Time-Dependent Fault Tree)を提案し,リスクの構造を可視化し,プロジェクトへの影響度合いの定量的評価と時間経過に伴う更新,プロジェクトリスク管理図(PR-管理図)を用いた状況の監視を可能とした.また実際のプロジェクトを事例として,提案した手法の実行可能性と有効性を検証した.

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© 2014 一般社団法人プロジェクトマネジメント学会
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