抄録
1988年から10年間にわたり, 端末数8万台という超大規模なオンライン即時処理のバンキングシステムをマルチベンダで開発した.国産の各メインフレーマだけでなく外国の代表的なメインフレーマを含めたマルチベンダ開発を実際に行う上でのプロジェクト管理は, 前例のない困難なものであった.超大規模システム開発におけるプロジェクト管理の要点は、以下の4点に集約し得る. (1)独立性, 自律性を確保したサブ・システム分割 (2)設計思想の一貫性と統一の保持 (3)開発プロセスの詳細な事前定義 (4)開発プロセスにおける同期のこまめな確保 これらのプロジェクト管理のノウハウを結集して, 予定どおりに開発を完了しサービス提供することができた.