抄録
英仏海峡トンネルプロジェクトは, 20世紀最後のビッグプロジェクトといわれ, 海面下100mの大深度を長距離掘り進むという厳しい技術的要求, 自然条件と闘いながら, 悪戦苦闘の時期を克服し, 所定の工期を8ヶ月短縮してトンネルを貫通させた.この成功は日欧国際協力による高度な技術力の統合に加え, プロジェクトマネジメントの視点からは, ステークホルダー間の'全体最適化'実現へ向けての類稀なる契約上の仕組み, ロジスティックにおける学習効果, さらに文化や国の違い立場を超え, それぞれが自己の持つ最大限の力を発揮せしめた, この世紀のプロジェクトの持つ凄みをあげることができる.