抄録
政府のITサービス調達において,EVM活用型プロジェクトマネジメントの導入が検討されていることもあり,EVMへの関心が急速に高まっている.その一方,現時点では我が国においてEVMを使いこなせる人材が少ないことが懸念されている.しかし,EVMを利用したことの無いプロジェクト・マネジャーやメンバーであっても,プログラム・モジュール本数など成果物の量に基づいた進捗の管理を実施した経験のある人は多いと思われる.また,EVMの考え方そのものは決して新しいものではなく,欧米では既に多くの実績がある.そこで,本稿では,過去に成果物の量に基づいた方法を実施したことのある人が,EVMを理解しやすくなることを目的に,旧来の方法とEVMの違いを明らかにし,さらに,EVMを効果的に実施するための考慮点について考察する.