抄録
これまでの組織縦割りの部分最適社会を脱し,全体最適社会の実現に向けた次世代の社会インフラを築く社会プロジェクトが盛んに行われている.これらは,長期間にわたるプロジェクト運営,多様なステークホルダーの合意形成,資金の調達など,社会プロジェクト特有の課題を抱えている.本論文では,広範囲な社会全体を対象領域としたプロジェクトマネジメントとして,ソーシャルプロジェクトマネジメントを提唱し,その概念,特徴,形態について考察するとともに,中央官公庁における社会情報システムの構築事例を用いて,ソーシャルプロジェクトマネジメント導入の必要性について述べる.