抄録
多数の企業が行っているR&Dプロジェクトを比較すると,性格やライフサイクルなどの相違が著しい.そのため,現象を一般論として捉えるのが困難な場合すらある.この程,様々な企業が集まり,R&Dへの効果的なPMの適用を追究する活動を約1年行った.そこでは,プロジェクトを性格によって類型化する必要性が認識された.例えばRに近いプロジェクトでは概して賭けのような性格が見られるし,Dが進み生産段階に近いと完遂を重視する性格が見られる.また,RとDの境界は扱う対象によって異なることに気づく.そこで,R&Dプロジェクトの成功要素を追究する過程で,性格による類型化を実際に行なった.本稿では,プロジェクト分類のために用いた方策と,類型化による効果を示す.