佐賀藩は1850年以降,長崎港警備強化のため築地に大砲製作所を設け,反射炉技術を採用し,射程の長い強力な鉄製大砲を開発製作することを目論んだ.この鉄製大砲を開発製作するために特別プロジェクトを設置して,独立組織のチームを作り,その製作に成功し,新設の砲台に配備した.ここでは,プロジェクトの組織と開発の工程について考究するものである.

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多数の企業が行っているR&Dプロジェクトを比較すると,性格やライフサイクルなどの相違が著しい.そのため,現象を一般論として捉えるのが困難な場合すらある.この程,様々な企業が集まり,R&Dへの効果的なPMの適用を追究する活動を約1年行った.そこでは,プロジェクトを性格によって類型化する必要性が認識された.例えばRに近いプロジェクトでは概して賭けのような性格が見られるし,Dが進み生産段階に近いと完遂を重視する性格が見られる.また,RとDの境界は扱う対象によって異なることに気づく.そこで,R&Dプロジェクトの成功要素を追究する過程で,性格による類型化を実際に行なった.本稿では,プロジェクト分類のために用いた方策と,類型化による効果を示す.

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21世紀における大きな社会変革の中で,わが国においては,技術イノベーションの重要性が益々拡大している.特に今後の持続的な成長過程におけるR&D分野の果たす役割の重要性は非常に大きいものがある.総合科学技術会議において決定された第3期科学技術基本計画においては,2010年までにR&Dに25兆円を投じる計画が決定された.R&Dのプロジェクトマネジメントは他の分野のプロジェクトマネジメントと異なり高いリスクを伴っている.新しい潮流の中で成功させなければならないR&D分野のプロジェクトマネジメントについて考えなければならないいくつかの視点について論じる.

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我が国の場合,産学連携研究開発は,製造業の経営の向上を図る工業施策の一つとして実施されている.しかし,この工業施策において,投入した資金に対する経済的効果の割合が低いといわている[1].産学連携プロジェクトにおいては,リーダの権限の不明確性,参加機関の低い連携認識,非効率な組織体制,および異なる参加目的などの問題があるといわれている.これらの問題が,産学連携プロジェクトの成否に,強く影響することが知られている.そこで,本稿では,これらの問題の改善策とその改善事例について解説する.

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特定顧客向け開発システム(インデント開発システム)の形態でありながら,類似の情報システムとして同時並行で複数システムを開発した時のプロジェクトマネジメントの実例を紹介する.本開発は通常なら標準システムをきちんと開発してから,ユーザ要求に基づき,カスタマイズしていくのが常套手段であるが,諸般の事情により標準システムなしで10システムに近い数のユーザ向けの開発がすべて同時となった.開発内容,開発規模ともに初めての経験で,リスク管理を強化しながら適宜,適応的に施策を実施し,プロジェクトの進行を図った.本プロジェクトで用いた開発形態は上流工程と試験以降の下流工程に大きく分けられる.特に上流工程ではソフトウェアの一元管理に集中しながら,開発メンバーが最大効率を引き出せるような施策を行った.一方,下流工程では分散開発的なアプローチを採用し,ソフトウェアの一元管理を維持し,問題点情報の共有が可能な仕組みをプロジェクト運営中に先行して構築した.この仕組みを各システムが現地に入っても利用できるように整えて,システムとしての品質を確保することができた.

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ソフトウェア開発プロジェクトにおける納期厳守,短納期化は,顧客満足度の向上,ビジネスチャンスの拡大などの極めて重要な要因となるものである.CCPM法は,このような課題を解決するための1つの方法と考えられるが,必ずしもその適用は具体化されていない.本研究では,CCPM法によりスケジューリングされたプロジェクトに的確かつ迅速な対応をとるために,プロジェクトバッファを考慮したEVMを用いてスケジュール管理することを提案する.

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プロジェクトを円滑に進めるためには,プロジェクトマネジメントスキルやプロジェクトマネジャーの能力に加え,プロジェクトを支える組織プロセス,ツール,知識・情報などが整備されていることが重要である.IBMでハードウェアやソフトウェア開発で使われている統合製品開発"IPD(Integrated Product Development)"はこの基盤を提供する体系であり,また製品開発の統合マネジメント・システムである.このIPDにおいて製品開発プロジェクトを経営における投資と考え,開発チームは投資に対するリターン(製品の完成と事業収益)をコミットメントする.そして,経営者と開発チームの間で契約を結ぶと考え,経営者は開発チームに必要な経営資源の使用許可を与える.このような関係はビル建設における投資家と建築請負業者の関係で説明することができる.本稿では製品開発プロジェクトに対する投資,コミットメント,契約という考え方を基礎とし,プロジェクトマネジメントの基礎知識を援用することでIPDを構成するコアとなる考え方が導けることを示す.

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