抄録
EVM(Earned Value Management)を用いた進捗マネジメントの有効性については,もはや研究や理論の域にとどまらず,プロジェクト・マネジャーを中心とした実践の場においても,その認識が高まりつつある.だが実際の運用過程においては,プロジェクトやサブシステムなどに集約してから状況の分析や把握を行うため,EVMの状況報告のみでは,プロジェクトの詳細内容に立ち入って遅れや進みの実態を把握することが難しい.解決策として他の進捗管理技法を併用するといった対応が考えられるが,十分とは言えない.本稿では上記の課題を解決し,EVMによる進捗管理の効果をより一層高めるための手段として, EVMにクリティカル・パスの視点を導入する方法を提案する.