抄録
動的結晶構造解析では、結晶全体の同期した構造変化が必須である。より良い同期の実現には、より小さな微結晶の利用が望ましい。本実験では回折能が一層小さな微結晶のX線回折強度測定の妨げとなるバックグラウンド散乱の抑制を目指した真空回折計の開発に向けた課題の検討を、SACLA でのコヒーレントX線回折イメージング(CXDI)用真空回折計 TAKASAGO-6 を用いて実施した。その結果X線結晶構造解析用真空カメラの開発に、TAKASAGO-6 で開発された技術が応用できることを確認した。一方、CXDI で観測しない高分解能域に、溶媒由来と思われるX線散乱が観察され、試料調製方法の改良が必要であることも判明した。