SPring-8/SACLA利用研究成果集
Online ISSN : 2187-6886
最新号
SPring-8 Document D 2021-013
選択された号の論文の26件中1~26を表示しています
Section A
Section B
  • 菖蒲 敬久, 城 鮎美, 村松 壽晴
    2021 年 9 巻 5 号 p. 318-323
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/08/26
    ジャーナル オープンアクセス
     レーザー溶接は、照射領域が非常に小さく、制御も簡便であることから様々な金属材料に対してすでに実用化されている。本研究では実用化が期待されている異種材料レーザー溶接の課題の1つである、加工影響部付近のひずみ・応力・変形等について高エネルギー放射光X線回折法により評価した。
  • 佐藤 信浩, 裏出 令子, 杉山 正明
    2021 年 9 巻 5 号 p. 324-326
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/08/26
    ジャーナル オープンアクセス
     純水による抽出法を用いて分画された小麦タンパク質グルテニンの濃厚水和凝集体について超小角X線散乱(USAXS)測定を行い、添加する食塩水の食塩濃度変化に伴うナノ-サブマイクロメートルスケールでの構造変化を追跡した。小麦のもう一方の主要タンパク質であるグリアジンにおいては、添加する食塩濃度の変化に依存して凝集体中の疎密構造に基づく密度ゆらぎの顕著な変化が見られたが、グルテニンにおいては食塩濃度の変化による散乱曲線の大きな相違は観察されず、グルテニンの凝集構造に対する食塩の影響はグリアジンと比較して小さいことが明らかとなった。
  • 西村 友作, 濱口 豪, 加藤 晃彦
    2021 年 9 巻 5 号 p. 327-331
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/08/26
    ジャーナル オープンアクセス
     Pd–Pt ナノ粒子元素分布と CO 酸化挙動の関係を調べるため、operando X線吸収分光分析を行った。今回用いた Pd–Pt ナノ粒子は CO–O2–NO 気流中、423–773 K の温度域で Pd が表面濃化した元素分布を維持した。CO–O2–NO 気流中での Pd–Pt/Al2O3 試料の CO 酸化挙動は、473 K 以下の低温域で Pt/Al2O3 試料に、673 K 以上で Pd/Al2O3 試料にそれぞれ近い値を示した。CO–O2–NO 気流中の Pd–Pt/Al2O3 試料は、少なくとも低温域でバイメタリック効果を発現すると考えられる。
  • 足立 浩章, 奥野 凌輔, 田中 浩
    2021 年 9 巻 5 号 p. 332-336
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/08/26
    ジャーナル オープンアクセス
     化粧品の有効性を評価することを目的として、現在様々な試験が行われているが、真皮における「コラーゲンの質」を評価する方法は十分に確立されていない。我々はこれまでに、線維芽細胞の広角・小角X線散乱を測定し、これに含まれるコラーゲンの三重らせん構造、分子間距離、長周期構造に由来する散乱について観察してきた。本研究では、老化させた線維芽細胞について観察することにより、コラーゲンに由来する散乱が細胞老化に伴い変化するかを検討した。その結果、継代培養を繰り返して老化させた線維芽細胞においては、若い細胞と比べてコラーゲンに由来する散乱の強度が低くなったものの、観察される散乱に変化は見られなかった。しかし、最も老化させた線維芽細胞においては、これらのコラーゲンに由来する散乱とは異なる散乱が観察された。一方、5-ブロモデオキシウリジンを処理して細胞老化を誘導した線維芽細胞では、散乱の変化は見られなかった。
  • 小林 翔, 渡邉 紘介, 鈴田 和之, 伊藤 廉
    2021 年 9 巻 5 号 p. 337-342
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/08/26
    ジャーナル オープンアクセス
     ブリーチ処理に伴うキューティクルの細胞膜複合体 (Cell Membrane Complex, CMC) の構造変化をマイクロビーム小角X線散乱 (µ-SAXS) を用いて解析し、毛髪の水分吸脱着挙動との関係を検討した。ブリーチ処理によって水分蒸散率が増加する傾向がみられた毛髪を用いて µ-SAXS 測定を行った。その結果から、長時間のブリーチ処理によってキューティクル CMC の脂質層 (β 層) の構造規則性が崩れていく変化が見いだされた。また、明確な構造規則性の崩れには至らない比較的短時間のブリーチ処理でも、β 層の層厚の低下が検出され、水分蒸散率はこのような β 層の層厚低下とともに増加する傾向が確認された。従って、キューティクル CMC の β 層の層厚は、毛髪内水分の拡散速度に寄与していると示唆された。
  • 宋 哲昊, 松本 匡史, 今井 英人, 田中 優実
    2021 年 9 巻 5 号 p. 343-346
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/08/26
    ジャーナル オープンアクセス
     アークプラズマ(APD)法によって作製した白金/カーボン(Pt/C)系触媒は、優れた触媒活性を発現する新規固体高分子形燃料電池カソード触媒として注目されている。この触媒における高活性要因に関する新たな情報を得ることを目的として、硬X線光電子分光実験を行い、構造と電子状態を調べた。担体としてグラッシーカーボン(GC)を用いた Pt/C 系触媒に対して C 1s と Pt 3d スペクトルを収集して電子構造を解析し、APD 条件/担持条件の違いが及ぼす影響を検討した。C 1s スペクトルの成分分析により、APD 法による触媒担持プロセスにおいて、GC 担体の一部が、ダイヤモンド構造への変形を示唆する結果を得た。また、Pt 3d のピークが高結合エネルギー側に位置することを確認し、担体と Pt が強く結合している可能性を見出した。APD 法による構造変化を伴う強固な Pt-C 触媒担体相互作用が、高活性要因の一つと考えられる。
  • 山口 聡, 北住 幸介, 岸田 佳大
    2021 年 9 巻 5 号 p. 347-350
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/08/26
    ジャーナル オープンアクセス
     縦型 GaN パワーデバイスは大電力動作が可能であり、大電流容量への適用のメリットがある。ただし耐圧確保の課題が残っており、素子内に悪影響を及ぼす転位が含まれないことが求められる。今回、ポイントシード法による種結晶を用いた Na フラックス法によって、GaN 基板の高品質化と大口径化を同時に試みた。放射光トポグラフィを用いて非破壊で転位密度を評価し、市販のハイドライド気相成長基板よりも1桁低い転位密度であることが分かった。
  • 水島 啓貴, 新井 龍志, 稲葉 雄大, 蟹谷 裕也, 工藤 喜弘
    2021 年 9 巻 5 号 p. 351-355
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/08/26
    ジャーナル オープンアクセス
     GaInN/GaN 量子井戸構造のピエゾ電界を評価するため、硬X線光電子分光とスペクトルシミュレーションを組み合わせた評価手法を構築した。また、X線回折による結晶構造解析を用いて GaInN 層の In 組成を見積もり、構築した解析手法により見積もられるピエゾ電界との相関を調査した。緑~橙帯発光の試料では、GaInN 層の In 組成が増加するにつれてピエゾ電界が増加する傾向が確認された。一方で、赤帯発光の試料では橙試料と比べてピエゾ電界が低下することがわかった。これは GaInN 層の格子歪の緩和の影響が大きくなることに由来すると考えられる。
  • 宮野 宗彦, 小林 裕, 榊 篤史
    2021 年 9 巻 5 号 p. 356-361
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/08/26
    ジャーナル オープンアクセス
     窒化物半導体 LED(Light Emitting Diode)の特性向上において、発光層である InGaN の局所構造を把握することは非常に重要であり、これまでも XAFS(X-ray absorption fine structure)法による解析が進められてきた。一方、InGaN/GaN 超格子中の Ga 原子周辺の局所構造解析は GaN バッファー層の影響が大きく、超格子中に存在するGa原子のみの局所構造を解析することは困難である。そこで、結晶学的サイト選択性を有する DAFS(Diffraction anomalous fine structure)法を利用し、窒化物半導体の測定を試みた。今回は予備検討として、AlN バッファー層上に成長した AlGaN 層を測定し、蛍光 XAFS 法で解析した結果と比較することにより本手法の可能性を検討したので報告する。
  • 中村 勇, 今澤 貴史, 清井 明, 川畑 直之, 湯田 洋平
    2021 年 9 巻 5 号 p. 362-365
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/08/26
    ジャーナル オープンアクセス
     β-Ga2O3 単結晶基板中に存在する結晶欠陥の種類や構造に関する知見を得るため、放射光X線トポグラフィによる測定を実施した。その結果、<010>に平行なバーガースベクトルを有する転位もしくは積層欠陥が測定領域全体に高密度に存在していることが分かった。これらの結晶欠陥はさらに、バーガースベクトルの大きさの異なる2種に分類されるものと考えられる。これらに加えて、回折ベクトル g = 4‾06、8‾24 のいずれにも垂直でないバーガースベクトルを有する2種類の結晶欠陥が存在することが分かった。これらの結晶欠陥は前述のものよりも密度が低く、測定領域内に不均一な密度で存在していた。
Section C
Section SACLA
  • 佐藤 尭洋, 岩崎 純史, 山田 佳奈, 山内 薫
    2021 年 9 巻 5 号 p. 369-374
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/08/26
    ジャーナル オープンアクセス
     SACLA-XFEL 光を超短パルスX線光源として用いるX線回折像計測装置を開発し、気相試料 CCl4 の時間分解X線回折計測を試みた。その結果、s = 1.2 ~ 6.2 にわたるX散乱線強度分布曲線の測定とフェムト秒レーザーパルスに対する遅延時間に依存して変化するX散乱信号の観測に成功した。本実験で用いた SACLA-XFEL 光、試料ガスの条件において、10,000 ショットの積算で 1% 程度の統計誤差を持つX線散乱強度分布が得られることが示された。
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