抄録
高エネルギー非弾性散乱ビームライン(BL08W)は、SPring-8唯一のウィグラーを光源とし、直線偏光または楕円偏光の100~300 keVの高エネルギーX線を使用することができるビームラインである。主な利用研究は高エネルギー非弾性散乱(コンプトン散乱)測定による物性研究であり、他にも高エネルギーX線を利用した蛍光X線分析、X線回折測定、X線CT測定や、高エネルギーX線用光学素子や検出器の開発・評価実験に利用されている。また、X線コンプトン散乱を用いた物体内部の構造変化や化学反応分布の分析手法の開発が進められている。2013年度における主な高度化は屈折レンズの開発である。