抄録
固体酸化物形燃料電池(SOFC)に用いるLaSrTiFeO3-δ系材料について、酸化雰囲気と還元雰囲気での材料挙動をXAFSで解析した。260°C以上で、Fe K-edgeのエネルギーシフト量が酸化雰囲気と還元雰囲気で顕著に異なることが分かった。Fe K-edgeにおけるXANESスペクトルから得られるエネルギーシフト量と、熱膨張率との間には比例関係があり、両者に強い相関性があることが示唆された。Fe系ペロブスカイトの熱膨張挙動は酸化雰囲気と還元雰囲気で、Fe元素に強く依存することがわかった。