抄録
トロポニンT処理法は、除膜筋線維(スキンドファイバー)内の内因性トロポニンTIC複合体を外来性トロポニンTと交換することにより筋線維がカルシウム非依存的に収縮反応を起こすことを可能にする。ラット左心室壁より調製したスキンドファイバーにこの処理を施すと、処理していない場合に比べてATP添加によりトロポニン 38/nm 子午反射が顕著に減少することがわかった。トロポニンT処理後の心筋線維はATPにより収縮状態となっていると考えられることから、心筋トロポニンTは硬直状態から収縮状態への変化に伴い構造変化を起こすことが示唆された。