2023 年 14 巻 1 号 p. 14_63-14_66
【目的】嚥下障害を有する肺炎患者に対し舌骨上筋筋力増強を目的に顎引き抵抗運動を実施し効果を前後評価した。【方法】誤嚥予防を目的に背臥位・車いす上での顎引き抵抗運動と誤嚥予防のために全身的アプローチを入院時の7日間実施した。【結果】舌骨上筋群の筋力増強は認めなかったが,舌骨上筋群の収縮時間が延長した。また,頸部筋緊張の軽減と座位アライメントの改善を認めた。【結論】今回の結果から,顎引き抵抗運動は舌骨上筋群の促通に効果があると考えられるが食形態の向上に至らなかった。今後,食形態の向上につながるさらなる嚥下機能評価および訓練の検討が必要であると考えられる。