2015 年 3 巻 2 号 p. 47-59
音楽・映画・書籍などのコンテンツのデジタル化が進み,その販売方法も多様になっている。これまでは,従来の物理的なパッケージと同様,1タイトル毎に値付けを行い販売するスタイルが中心だったが,昨今クラウド化の進展によりコンテンツの定額販売(いわゆる聴き放題・見放題・読み放題といったモデル)への移行が進んでいる。この変化がもたらすものについて,関係者の間でもコンテンツの廉売につながるのではないかという警戒感と,ユーザーの利便性が高まり引いては権利者の利益を増加させるという期待がせめぎ合っている。
本ワークショップでは,実際にデジタルコンテンツの販売に携わる事業者のキーパーソンの参加を得て,クラウド化や定額化を踏まえた,コンテンツ・メディア産業のビジネス・エコシステムの今後の展望について,ビジネスとアカデミック双方の観点から議論を深めた。