社会情報学
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シンポジウム報告
社会科学におけるテキスト型BIG DATAの可能性
中井 豊
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2015 年 3 巻 3 号 p. 135-140

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抄録

BIG DATAと言えば, 個々人の行動に関する定量的なDATAに注目が集まるが, 意味を専ら取り扱う社会科学では, テキスト型のBIG DATAの利用が期待される。「生」の, 「本音」の, 「時々刻々」の声を把握できるテキスト型のBIG DATAによって, 社会の通念等を, 個人レベルの分解能で常時観測できることで, 社会調査のあり方が根本的に変わる可能性がある。また, 社会理論研究に関しては, 従来, 理論の妥当性を経験的に検証することは難しかったが, 社会シミュレーション等他の技法とともに, テキスト型BIG DATAの利用が進み, 検証過程の説得性を飛躍的に高めるであろう。一方, 膨大なデータの中から如何に意味を自動抽出するかが大きな課題である。形態素解析や共起解析などの手法が開発されているが, 自然言語処理における一層の技術開発が望まれる。

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© 2015 一般社団法人 社会情報学会
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