抄録
X線自由電子レーザー(XFEL)による生体単粒子イメージングの実現に向けて、残された課題の1つが、試料粒子以外からの背景散乱の低減である。本研究では、窒化ケイ素(SiN)膜をX線窓とする試料保持基板に XFEL ナノビームを照射し、背景散乱の評価を行った。生体単粒子回折の数値シミュレーションとの比較によって、XFEL イメージングにこれまで利用してきた厚さ 200 nm の SiN 膜では、SiN 膜に由来する背景散乱が生体粒子由来の回折信号を上回ることが判明した。この結果は、生体単粒子イメージング用試料ホルダ開発に重要な設計指針を与える。