科学・技術研究
Online ISSN : 2187-1590
Print ISSN : 2186-4942
ISSN-L : 2187-1590
原著
OpenSimを用いた筋張力推定におけるReserve actuatorの影響
齊藤 亜由子細谷 拓冬小林 義和木澤 悟
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2022 年 11 巻 2 号 p. 117-123

詳細
抄録

筋骨格ソフトウェア OpenSimの最適化計算におけるReserve actuatorの役割は、モデルの筋力不足を補助するため各関節の回転運動に対し補助トルクを与えることである。本研究ではOpenSimを用いて適切に筋張力を推定することができるReserve actuatorの設定範囲について検証した。健常成人男性7名の通常歩行を解析対象とし、得られた下肢筋張力とReserve actuatorが発揮した補助トルクの結果から、二関節筋である大腿直筋,大腿二頭筋長頭と、単関節筋ではあるが筋の付着点が多く設定されている大殿筋、腸腰筋においてはReserve actuatorの設定の違いによって筋張力の推定結果に差異が認められなかった。一方、二関節筋ではあるが筋の付着点が少なく設定されている腓腹筋や、単関節筋の中でも筋の付着点が少なく設定されているヒラメ筋、前脛骨筋、大腿二頭筋短頭はReserve actuatorの設定の違いによって筋張力の推定結果に差異が認められたため、これらの筋張力の推定結果からReserve actuatorの設定範囲を検討することが望ましいと考えられる。

著者関連情報
© 2022 科学・技術研究会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top