抄録
ケイ酸化合物の一種である水ガラスは比較的安価なことから、肥料や合成洗浄剤および段ボール等の接着剤原料として幅広く利用されている。しかしながら、水ガラスの持つ感温性や高分子特性を積極的に利用し、消火剤に利用した例はほとんど無い。本研究では、ケイ酸化合物を用いた消火剤の開発を目的に、その最適組成の探索を行うために、規格化された飛び火クリブを火源として用いて、液体を自由噴霧することによるクリブの消火実験を行った。予め水で消火実験を行い、消火に使用した水の量を消火能力の基準にした。消火剤は、水ガラスにケイ酸アルミニウムを任意濃度溶解し、この溶液を水で希釈することにより、種々の粘度に調製したものを用いた。熱源へ噴霧した消火剤は、クリブの燃焼熱により脱水縮合反応によりクリブ表面に固体泡と固体膜を形成した。加熱により生成する固体泡と固体膜の生成割合と形状は、消火剤の粘度により制御できた。シリカ化合物の高分子形成が可能な低い粘度およびケイ酸アルミの濃度が高い条件で消火能力が高くなることがわかった。消火操作後、50 ℃までクリブが冷却される時間は、溶液の粘度が低くなるとともに短くなることが分かった。