抄録
一部のリチウムイオン電池は、太陽光や風力といった天然エネルギーによる発電からの大電力量を扱う必要があり、非常に大型になっている。リチウムイオン電池の単位体積当たりのエネルギー密度は非常に高く、発火や爆発を防ぐための保護回路が設けられている。しかし、大型のリチウムイオン電池には、さらなる安全性を確保するためにも、追加の監視システムが必要となる。本研究では、リチウムイオン電池の電解液の組成であり、電池の発熱の際、ガスとして漏洩することが考えられるジメチルカーボネートの濃度を、二波長光吸収分光法によって測定するシステムを構築した。システムは、単一周波数の分布帰還型半導体レーザーと、マルチパスセルで構成される。二波長光吸収分光法によって、ジメチルカーボネートの吸収を測定した結果、測定濃度と導入濃度の関係に、ゼロ点とともに線形性が確認され、爆発限界の下限である4.2 %以下のジメチルカーボネートの濃度を測定することができた。これにより、リチウムイオン電池の火災前検知が可能となり、安全性の向上が期待される。