仙台白百合女子大学紀要
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<研究ノート>質問紙法による調理能力調査の分析法について
宮下 ひろみ
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2001 年 5 巻 p. 149-156

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抄録

質問紙法による調理能力調査にあたっては、質問票にどのような基準でどのような料理を選定するかについての検証も行ってしていく必要性があると考えられる。今回は前回の単純集計および分散分析等の統計的方法の他に、個々のデータに質的なものを加味したS-P表の作成と分析を試みた。1.各年度のS-P表におけるSラインおよびPラインはよく似た形態を示した。前報において、H9〜H11年の3ヵ年のデータを分散分析した結果、各料理の調理可能者数の割合の年次による差異がほとんどみられなかったことと一致することをあらわしていると考えられる。2.SラインおよびPラインのパターンと調理可能な料理数の平均値から、今回の調査はS-P表モデルパターンにおける「テスト型」に相当することがわかった。3.今回の調査における調査票の料理は若年女性にとって調理可能なものや不可能なものに偏らず、対象者の能力をみるために段階をふまえたものが選択されたと考えられる。そこで、この調査票が高等学校卒業時頃の若年女性の調理能力調査のテストパターンの1つになりうることが示唆された。

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2001 学校法人白百合学園 仙台白百合女子大学
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