宇宙技術
Online ISSN : 1347-3832
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インフレータブル円環で張架した平面アンテナ構造の面精度評価
角田 博明仙北谷 由美
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2002 年 1 巻 p. 19-26

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抄録

将来の移動体静止通信衛星では,これまでよりも大形な平面アンテナを軽量かつ高収納効率で実現する必要がある.しかしこれまでの平面アンテナは,大形化に伴い質量の顕著な増加や収納効率の低下などの問題がある.そこで,本論文では,軽量で柔軟性に富むアンテナ膜面をインフレータブル構造で支持する構成を取り上げた.平面アンテナ構造は,軽量化と柔軟な折り畳み性を目指して,PBO繊維を使った三軸織物複合材料を使ったメッシュ状の構造である.直径1.5 mの平面アンテナ構造を試作し,円環状のインフレータブル構造で支持した状態で面精度を測定した.インフレータブル構造は材質の異なる2種類を使い,内圧と面精度の関係を明らかにした.これより,折り畳みが可能で軽量な平面アンテナ構造の実現性の見通しが得られた.

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© 2002 The Japan Society for Aeronautical and Space Sciences
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