聖マリアンナ医科大学雑誌
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症例報告
Peutz-Jeghers症候群のサーベイランスによって若年性の異時性両側性乳癌及び肺癌を診断しえた一例
本吉 愛 酒巻 香織瀧下 茉莉子成木 佐瑛子荻原 眞帆小澤 南鈴木 由妃杉下 陽堂右田 王介川本 久紀津川 浩一郎
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2024 年 51 巻 3 号 p. 103-115

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抄録

症例は,27歳時,小腸過誤腫による腸重積発症を契機にPeutz-Jeghers症候群と診断され乳癌サーベイランスを開始した。31歳で右乳癌,右乳癌術後3年目の定期検査で左乳癌が発見された。さらに右乳癌診断時のCTで両側肺にすりガラス影を認め経過観察中,左肺の所見が悪性疑いとなり胸腔鏡下肺部分切除を行ったところ肺癌の診断だった。PJSにおける全悪性腫瘍の生涯リスクは約81%と高率かつ若年発症が多いと報告されている。消化管外の悪性腫瘍に対するサーベイランスの有効性は確立していないが,今回サーベイランスで若年性の異時性両側性乳癌及び肺癌を診断しえた症例を経験したため報告する。

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© 2024 聖マリアンナ医科大学医学会
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