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コマルハナバチによるカラ類の巣の乗っ取り
三上 かつら山口 典之
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2011 年 27 巻 p. 53-62

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抄録
カラ類のために設置した巣箱およびカラ類が持ち込んだ巣材を利用して,コマルハナバチ Bombus ardens Smith が繁殖を試みた例が確認された.マルハナバチがカラ類の巣材を利用した13 例ほぼ全てにおいて,カラ類の巣は完成しており,中には既にカラ類が産卵していた巣もあった.コマルハナバチの存在が鳥に営巣を放棄させた可能性もある.マルハナバチの巣が見られなかった場所は,訪花地から急勾配の尾根を越えねばならない場所にあり,このような地形は障壁となってハチにあまり好まれない可能性が考えられた.カラ類の巣材はマルハナバチにとって保温のため機能しているものと推察された.
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© 2011 公益財団法人 日本野鳥の会
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