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定点観察調査による鳥類飛翔頻度の推定精度向上に向けた検討
白木 彩子猪野 雅史金岩 稔
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ジャーナル オープンアクセス

2015 年 31 巻 p. 77-86

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抄録

定点観察調査の結果から推定された鳥類の飛翔頻度と調査回数との関係について,ノンパラメトリック・ブートストラップ法による検討を行った.一回2 時間の調査を50 回(100 時間)仮想的に実施した場合,繁殖期の現地調査でコンスタントに観察されたオオセグロカモメなどの飛翔頻度の平均値は,± 25% の精度で推定されることが示された.一方,ときどき,または稀にしか出現しなかったオジロワシなどの飛翔頻度は精度の高い推定ができず,調査回数が少ないと生息していないと判断される可能性が高いことが示唆された.また,推定飛翔頻度平均値の信頼区間の幅の相対的な比を許容精度の尺度とし,効率的な調査努力量を検討することが可能と考えられた.

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© 2015 公益財団法人 日本野鳥の会
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