抄録
日本では戦後の高度経済成長の時代に,爆発的なペットブームが起こり野外で野生化する外国産鳥類が増えた.とくにムクドリの仲間のハッカチョウ類Acridotheresが全国各地で目撃されるようになり,著者はハッカチョウ,ジャワハッカ A. javanicus,インドハッカ A. tristis,ハイイロハッカ A. ginginianus,オオハッカ A. grandisの繁殖を確認した.2023年現在,ハッカチョウだけが神奈川県と兵庫県や香川県など西日本に生息し,分布を拡大している.過去のハッカチョウの観察記録から,ハッカチョウの侵入や定着の要因について考察し,ハッカチョウが引き起こす諸問題について言及した.そしてハッカチョウの生態や在来種への影響,生息状況のモニタリング調査の必要性と都市周辺域の生態系の新しい野生種として捉えていくことを検討した.