日本数学物理学会誌
Online ISSN : 2185-2715
ISSN-L : 2185-2715
化合勢力の量子論的計算法, II
ワイル H.
著者情報
ジャーナル フリー

1931 年 5 巻 4 号 p. 370-374

詳細
抄録

1) 組合せ的部分. a, b,‥‥個の價電子を有するn個の原子があつて之が價數vの遊離價線を殘す樣に結合するためには, 各原子及び “空虚” に對して夫々ヴェクトルx, y,‥‥, lを對應させx, y,‥‥, lにつき夫々a,b,‥‥, v次の不變式φ (l; x, y,‥‥) を作る (嚴密に言へば不變式の一次聚體の基底φ (l; x, y,‥‥) を作る). 斯樣な不變式 (の基底) の一つの選び方は [xy] の形の基本不變量の乘積なる單項式を採ることである. その間に恆等關係 (10) の成立することに注意を要する.
2) 力學的部分, (13) から交換エネルギーWxy等を計算し, (14) により不變式φに施す演算子txyを求める. これにより演算子Wが定まるから價數vのみの間で方程式 (12) を解けばヱネルギーが得られる. 實地計算に際して便利な公式Dxy[xy]=0, Dxy[xz]=[yz]が成立することを最後に付け加へて置く.

著者関連情報
© 日本物理学会,日本数学会
前の記事 次の記事
feedback
Top