2017 年 32 巻 1 号 p. 62-70
膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)については2012年に国際膵臓学会(IAP)より国際診療ガイドライン,2013年にヨーロッパ膵嚢胞性腫瘍研究グループより専門家コンセンサスステートメント,2015年に米国消化器病学会(AGA)よりAGAガイドラインが発表されている.それぞれのガイドラインは作成者の背景,作成法,対象,clinical question,推奨なども異なっている.ガイドラインを作成法,悪性因子,経過観察などを比較することでIPMNの問題点が浮かび上がってくる.一方,IPMNに関しての統計学的に一応,一番エビデンスが高いとされるmeta-analysisも報告され,臨床上の問題についても少しではあるが,解答が出てきている.ガイドラインやmeta-analysisより見たIPMNの問題点を概説した.