症例は72歳,女性.2002年に主膵管型IPMNと診断される.201X年Y月に胃背側の腹部腫瘤精査がなされ,胃穿破を伴う主膵管型IPMNの診断で当科に入院となる.本症例では2005年から経年的にMPD拡張の進行がみられたが2013年にはやや改善していた.201X年Y+2月に膵全摘+胃部分切除術による根治切除を施行した.最終診断はIPMC,Phbt,TS4(主膵管型15.5cm)(浸潤部位1.4cm),ly0,v0,ne0,pT3 pN0(0/31),M0,CY0,pStage IIAであった.術後は大量膵酵素剤とインスリンの自己注射管理により術後4年の現在のAlb値は4.0g/dl前後と良好なQOLが得られている.主膵管型IPMNは膵全摘が適応となることも多く,本例は主膵管型IPMNの自然経過と適切な術式を考える際に参考となる貴重な症例と考え報告した.