膵臓
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特集 膵神経内分泌腫瘍の診断と治療の最前線
膵神経内分泌腫瘍の病理組織学的分化度と画像所見の関連性
宮木 英輔芹川 正浩石井 康隆壷井 智史栗原 啓介辰川 裕美子河村 良太中村 真也關藤 剛平野 哲朗森 豪池本 珠莉茶山 一彰
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2019 年 34 巻 2 号 p. 63-70

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抄録

PNENの病理組織学的分化度と各種画像所見の関連性を明らかにするため,当院で経験したPNEN症例をWHO2017分類に基づき高分化型(NET G1/G2/G3)と低分化型(NEC G3)に分類し,それぞれにおける画像所見を比較検討した.画像診断にて典型的所見のみを認めた症例はすべて高分化型であり,特にNET G1で多かった.非典型的所見のうち,早期濃染なし/不整形はNET G3,NEC G3で多く認められ,高悪性度を示唆する所見と考えられた.石灰化/嚢胞形成はNET G1,G2のみに認められ,高分化を示唆する所見と考えられた.PET-CT陽性率は悪性度の上昇に伴い増加しており,低分化型で有意に陽性率が高かったが,SUVmax値は高分化型と低分化型で有意差を認めなかった.画像所見とPNEN悪性度には関連性が認められ,画像診断により,ある程度の悪性度の診断予測が可能であることが示唆された.しかしNET G3とNEC G3の鑑別は画像所見のみでは困難であり,画像診断に加えて十分な病理組織学的検討が必要である.

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© 2019 日本膵臓学会
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