症例は60歳代,女性.20XX年1月に急性膵炎を発症した際に,20mm大の膵頭部腫瘤を指摘された.急性膵炎は保存的治療で改善し,膵頭部腫瘤は膵炎に伴う被包化壊死疑いの診断で経過観察となった.同年7月,9月に再度急性膵炎を発症した際,および同年11月に閉塞性黄疸を発症した際に,膵頭部腫瘤は形態・内部性状が著明に変化した.同年12月に経乳頭的膵管生検が施行され,膵頭部腫瘤は膵腺房細胞癌と診断された.modified FOLFIRINOX(mFFX)による術前補助化学療法施行により奏効が得られ膵頭十二指腸切除術が施行された.画像所見および病理学所見から,腫瘍内部の出血や壊死により腫瘍形態および内部性状が経時的に変化したものと考えられた.また,本症例はBRCA遺伝子検査にてBRCA病的バリアントが確認され,遺伝性乳癌卵巣癌症候群(hereditary breast and ovarian cancer:HBOC)と診断された.