日本塩学会誌
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塩基性炭酸マグネシウムの研究
不純物の形態とその定量 (第10報)
萩野 友治
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1956 年 10 巻 5 号 p. 214-218

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抄録
塩基性炭酸マグネシウムの単位格子胞中に含まれるべき分子数を代表的な化学組成式に就いて計算し, ±1%以下の誤差で整数値をとる5MgO・4CO2・5H2Oの組成が最も妥当なものである事を推論した. 又結晶水が6, 7の組成も報告されているが, 種々のサンプルの150℃ に於ける脱水量とその時の結晶含有率とより, 5以上の結晶水と見なされているものは吸着水に類する水であり, 他に結晶性の不純物を含まないサンプルも屡々相当量の非晶質を伴つていて, これが従来の化学分析値より導れた組成式に色々のものを生じた原因であろうと考えられる. 又結晶性の不純物であるMgCO3・3H2O, Mg(OH)2, calcite, aragonite並びに5MgO・4CO2・5H2Oの結晶含有率をX-ray diffractometerを用いて分析するに必要な資料を作成した
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