抄録
ホウ酸溶液を使用して水酸化マグネシウム中へのホウ素の吸着要因実験と海水, かん水およびにがりに石灰乳を加えて反応する場合の水酸化マグネシウムに対するホウ素の吸着実験を行い次のような結果を得た.
(1) ホウ酸溶液を使用して水酸化マグネシウムを添加する場合. 本実験のホウ酸溶液濃度範囲で添加比が同じ場合水酸化マグネシウム中への吸着はFreundlicの吸着等温式にしたがう.
塩化マグネシウムを添加したホウ酸溶液を調整してこれにカ性ソーダを加えて水酸化マグネシウムを加える方法, すなわち, 反応による場合と単に添加する場合の比較実験を行った結果, 反応による場合が約5倍吸着量が大であった.
(2) 海水, かん水およびにがりを石灰乳を原料として水酸化マグネシウムを製造する場合, pH変化による水酸化マグネシウム中へのホウ素の吸着量を調査した. 結果は海水, かん水, にがり聞の差異は認められなかったが製造時のpHに大きく影響することがわかった.