日本塩学会誌
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押出式遠心分離機を利用した固結防止剤の食塩への添加工業化試験
岡本 速雄元木 義和田中 頼男小林 秀雄
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1962 年 16 巻 2 号 p. 73-78

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抄録
押出式遠心分離機を利用して食塩に10ppm程度の極少量の固結防止剤クエン酸アンモニウムを添加混合する方法について特に添加方法, 混合度, 歩留の点について検討し次のごとき結果を得た.
(1) 一たん遠心脱水した食塩をクエン酸鉄アンモニウム溶液に浸漬して再び脱水する方法は混合は完全であるが分離機の脱水性能に添加量が影響され, また浸漬液の汚染, 液濃度の低下があり, したがつて液の更新などを必要とし損失が大きい.
(2) 遠心分離機内の食塩ケーキに添加するものは, ほとんど新設設備を要せず, 工程の連続化も容易であり, このための人件費の増加も考えられず, 製塩工程への導入, 応用性, 実用性の点ですぐれているように思われた. また実験の範囲では混合度は相対偏差で15%以内にあり固結防止効果の点でも十分であると共に歩留も食塩ケーキ付着母液と同等量の溶液添加までは添加液と母液との置換がよく98%を示したがそれ以上では損失が急激に増加する. 次に分離機スクリーン前端から添加位置までの距離による影響は実験の15~60mmの範囲では歩留, 混合度共大した変化はなかつた.
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