日本海水学会誌
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並塩の附着液と缶内液組成
食塩の固結機構について (第7報)
増沢 力米井 祥男
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1967 年 20 巻 4 号 p. 205-218

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抄録
並塩の推定表面附着液の組成と缶内液組成との関係を検討するため錦海, 内海の両工場を対象に一週間にわたつて調査して次の結果を得た.
1. 錦海工場の缶内液組成は他の大部分の製塩工場と同じくほぼ海水濃縮線上にあり, 各dt15とナトリウム, カリウムおよびマグネシウムの各イオンなどの組成とはdt15が1.20~1.30の範囲で直線関係にある.
2. 内海工場の缶内液は海水濃縮線からはずれている. dt15と各組成は直線関係にない.
3. 錦海の表面附着液には少量の, 内海の表面附着液にはかなり多量の硫酸イオンを含む塩類が存在し, 附着液組成は硫酸イオンに富む.このため内海の並塩の方が, 錦海の並塩よりも大きい固結傾向を持つと考えられ, 固結調査の結果と一致した.
4. 缶内液, 母液スケールなどから得られた液底体には塩化ナトリウム以外に硫酸マグネシウム7水塩および6水塩 (MgSO4・7H2O, MgSO4・6H2O), カイナイト (kainite) およびグラベライト (glauberite) が認められた.
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