日本海水学会誌
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にがりおよび母液沈でん物について
製塩における缶内液に関する研究 (第4報)
増沢 力
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1967 年 20 巻 5 号 p. 263-268

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抄録

製塩工程で排出される母液およびにがりスケールの組成を検討して次の結果を得た.
1) 母液およびにがりスケールの組成は, 塩化ナトリワムのほか, せつこう2水塩および半水塩, グラベライト, ポリハライト, カイナイトの一つまたは二つ以上が混合していた.
2) これら液底体の種類は, これらが析出した母液の濃縮過程にそれぞれ対応した析出物が見られた.
3) 不純物組成が海水組成点に近い濃縮が進まない母液には液底体としてせつこう単塩またはグラベライトが安定な形で存在する.
4) 濃縮が進んだ母液には液底体としてポリハライトまたはポリハライトとせっこう単塩が安定な形で存在する.

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