日本海水学会誌
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NaOH-KOH-H2O系におけるNaOH・3.5H2Oの融点
早野 市郎後藤 藤太郎石坂 誠一
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1971 年 24 巻 6 号 p. 253-258

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抄録
水酸化ナトリウムおよびカリウムの混合水溶液よりNaOH・3.5H2Oの結晶を析出させ, 水酸化ナトリウムの精製と水酸化カリウムを濃縮するプロセスの基礎資料として, NaOH-KOH-H2O系におけるNaOH・3.5H2Oの消失温度を全水酸化アルカリの濃度が33~43wt.%, 全水酸化アルカリに対する水酸化カリウムの比率を0~60wt.%の範囲で測定した. 全水酸化アルカリの濃度が一定ならば水酸化カリウムの比率が増加するにしたがつて消失温度は低下した. 全水酸化アルカリの濃度が39wt.%の溶液を-5℃まで冷却すれば水酸化カリウムの比率を50wt.%まで, -13℃まで冷却すれば60wt.%まで全水酸化アルカリ中の水酸化カリウムの比率を濃縮できることがわかつた. 次に消失温度を全水酸化アルカリ濃度および水酸化カリウムの比率の多項式で表わせると仮定し, 多項式の係数を最少2乗法で求めた, その結果, 多項式の次数を4にすれば0.1%の平均相対誤差で近似できることが明らかになつた.
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