日本海水学会誌
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工業規模水槽型透析装置の長期濃縮試験
イオン交換膜透析装置に関する試験 (第22報)
畦地 昭二永塚 敏伊丹 良夫中静 素子
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1972 年 26 巻 3 号 p. 122-140

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抄録
膜群および膜セルの構造を合理化した有効膜面積115dm2・300対の水槽型電気透析装置を設計し, その特性を試験するため, 10000時間にわたる長期試験を実施した. 結果は次のとおりであつた.
1) 改良した膜群構造, 膜セル構造には特に問風点は見出されず, 取扱いも容易であつた.
2) かん水取出しの信頼性を高めるため, 膜セルの下端にかん水取出しホースを取付けた結果, 膜セル内にはかん水の滞留および空気泡の滞留はみられず, したがつてこれらの滞留に基因するトラブルは発生しなかつた.
3) 電流密度3.5amp/dm2にて, NaClに対する脱塩率を30%に増大してもトラブルは発生しなかつた.
4) 給液添加剤α液の添加により, 上記の運転条件の下で (Cl-Ca-Mg)(N)×100/Cl (N) で示した純塩率をほぼ95%以上に維持することができた. たとえば, 原料海水温度21~25℃, α 液の添加濃度0.15ppmのときの平均値は約95.5%, 原料海水温度約17℃, α 液の添加濃度0.2~0.3ppmのときの最大値は98.8%であつた.
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