日本海水学会誌
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アンモニア-水系の気液平衡関係
海水中の汚染物質の気液平衡関係 (第1報)
白田 利勝
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1975 年 28 巻 5 号 p. 353-359

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抄録
アンモニア-水系の気液平衡関係をpH4~pH10, 蒸留水, 海水, 2倍濃縮海水の塩分濃度, 360mmHg~2atmの種々の条件下で測定した.
その結果アンモニア-水系の気液平衡比は, 溶液のpHに非常に大きな影響を受け, また塩分濃度が大きくなると気液平衡比は小さくなり, 系圧力が高くなるとそれにつれ大きくなる傾向がとらえられた. これら三つの実験パラメーターの中では, とくに溶液のpHの影響が大きかったが, これはpHがアンモニアとアンモニウムイオンの化学平衡に直接関与しているためであろう.
気液平衡関係のデータの健全性を確かめるため, アンモニア-水系の単蒸留実験を有なった. 結果は気液平衡関係の場合とまったく同様の傾向がとらえられ, データの健全性が確かめられたものと思われる. これらの基礎データをもとにこして, 海水淡水化装置内でのアンモニアの分布を推測すれば, 生成淡水への-アンモニア濃縮の防止対策がたてられるであろう.
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