1980 年 33 巻 5 号 p. 274-280
10万トン/日プラントのモジュール試験の高温調整運転において, 大型凝縮器の伝熱特性を明らかにするために, 外径19mm, 肉厚1.2mmの伝熱管を約3,600本装着した熱回収部の2本のチューブバンドルにおいて, 外径6mmのピトー管と外径3.2mmのシース型銅コンスタンタン熱電対を各チューブバンドルについて, それぞれ10本および20本用いて, 冷却水の伝熱管出口における流速と温度を測定し, 流速と温度分布の不均一性が大型凝縮器の性能に及ぼす影響を検討した.
測定精度には若干問題はあるが流速および温度分布はきわめて一様であった. このことはチューブバソドルの管配列と水室の構造の設計が適切であることを示すと思われる. また, 本測定例における程度の不均一性は多段フラユシュ蒸発装置の性能にはほとんど影響を及ぼさないとみてよいであろう.