日本海水学会誌
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世界最大の逆浸透法海水淡水化プラントの運転
岩橋 英夫永井 正彦
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1990 年 44 巻 2 号 p. 146-151

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抄録
大容量の海水淡水化プラントは, 多段フラッシュ法が主流をしめているが, 近年の逆浸透膜製造技術の進歩や周辺機器の改良により, 膜法による大型の淡水化装置が実現するようになった.
国産の逆浸透膜による海水淡水化については, 東洋紡績株式会社での基礎研究と実績, および神奈川県茅ケ崎市にて (財) 造水促進センターが実施した800m3/日プラントの長期運転, ならびに三菱重工業株式会社における解析研究によりその性能が実証されているが, 中近東における50,000m3/日規模の大型海水淡水化プランは初めてである.
本報は, 三菱重工業株式会社がサウジアラビア王国, ジェッダ市に建設した, 現時点では世界最大規模の逆浸透膜海水淡水化プラントの運転について紹介するものである. プラントは, 1989年5月, 営業運転開始以来, ジェッダ市に飲料水を供給しており, とくにその水質がきわめて良好であることを客先から高く評価されている.
以下にプラントの概要, 運転実績と性能解析の結果を紹介する.
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