日本海水学会誌
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海洋における溶存有機炭素および海洋腐植様物質の海域特性に関する研究
山口 善敬中口 譲木村 宗人平木 敬三
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2001 年 55 巻 6 号 p. 419-427

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抄録
溶存有機炭素 (DOC) の定量および三次元励起・蛍光スペクトルの測定に用いた海水試料は, 北西太平洋, インド洋 (アンダマン海およびベンガル湾), 日本海およびオホーツク海にて採取した.水深1000m以深でのDOC濃度には顕著な違いが認められた. 1000m以深でのDOC濃度は, 日本海において高濃度であったが, 他の海域ではほぼ同じ濃度範囲であった. 海洋腐植様物質に代表される蛍光性有機物質は, 各海域において表層付近でDOC中の5~15%, 深層水中で20~37%を占めていた、これらの結果により, 溶存有機物 (DOM) の性質の違いや, 各海域において異なったDOMの生成および分解過程が存在する等の海域特性を明らかにした.
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