日本海水学会誌
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瀬戸内海から単離された新規微生物(Thraustochytrium)の生育特性と資源化
山岡 到保カルモナ マルビリサ
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2005 年 59 巻 1 号 p. 23-31

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抄録
瀬戸内海から単離されたThraustochytriumCHN-1を, NaCO30.16%, pH8-10, 青色光, 鉄, チアミンとコリン, 塩分3-4%, グルコース, ガラクトース, フラク-トース, オレイン酸, 大豆油とゴマ油を炭素源と酵母エキス, ポリペプトン, グルタミン酸とアラニンを有機態の窒素源として用いて増殖した. その結果, アスタキサンチンの占める割合が多いことがわかった. 一方, Thraustochytriumは, 富栄養化海水の無機態の硝酸塩と尿素を窒素源で増殖することから富栄養化成分の除去に利用できる. またアスタキサンチンとDHAを有していることから魚の餌料などだけでなく, 健康補助食品, 飲料などの用途開発が考えられ, 新規の海水産業につながると予想される.
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