日本海水学会誌
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微生物酵素によるミズクラゲの分解処理
土井 宏育武田 美貴雄岡 達三野々村 禎昭
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2006 年 60 巻 6 号 p. 426-433

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抄録

放線菌Streptomyoes属99-GP-2D-5株が産生する酵素によるミズクラゲ (Aurelia aurita) 個体の分解 (液化) について検討を行った. 粗製酵素E77 (0.2%溶液, 50℃) により5Lビーカー内において30分以内で100gのミズクラゲ個体は完全に分解された. 酵素溶液は50℃の反応条件下で, 少なくとも5回以上の再利用 (繰り返し利用) が可能であった. サイプォン式大量処理装置 (30L) を試作し, その中でミズクラゲ3kgを同上条件下において, 100分以内でほぼ完全に分解した. COD値を30mg/Lに希釈調製したE77を含有するクラゲ分解廃液の毒性をヒメダカ (Oryzias latipes) を用いて確認したところ, 急性毒性は認められなかった.

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