Synthesiology
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研究論文
燃えるごみの焼却残さを高付加価値材料に変換する技術開発
—「溶融スラグ」の高比表面積シリカへの変換とシリカを原料とするケイ素化学産業基幹原料の製造—
深谷 訓久片岡 祥崔 準哲
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2018 年 11 巻 3 号 p. 128-136

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抄録

都市ごみ清掃工場から排出される溶融スラグを原料として、高い比表面積を持つシリカを製造する技術を開発した。この方法で得られるシリカは市販の合成シリカに匹敵する純度や比表面積を持ち、吸着剤やゴムの添加剤、コーティング剤等さまざまな用途への展開が期待できる。この研究成果は、これまでコンクリートやアスファルトの骨材としての利用に限定されていた溶融スラグを、新たに機能性材料として社会に循環させることを可能にするものである。この研究をスタートするきっかけとなった「シリカを原料とする機能性化学品の直接合成技術」の概略と研究シナリオおよび今後の展望について報告する。

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© 2018 国立研究開発人 産業技術総合研究所
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