両親媒性有機分子はその濃厚溶液中で液晶構造を形成することがある。この論文では、その液晶構造を転写したナノ構造を有する一連の多孔質材料「規則性メソポーラス材料」に着目した研究に関して、その組成設計がどこまで実現できるようになっているかを紹介する。最初の報告例であるシリカ系材料に加え、最近では、多様な無機組成からも合成できると考えられている。この研究では、より難易度が高いハイブリッド型の非シリカ系メソポーラス材料の合成に挑戦してきた。規則性メソポーラス材料の合成に利用されたことのない化学原料の選定並びに新しい合成ルートの提案に始まり、最近では化学原料の反応性制御や機能設計まで実現できるようになっている。