2019 年 12 巻 1 号 p. 39-47
土壌・地下水汚染は人の健康や社会経済的活動に密接に関連し、大きな影響を与えるため合理的な対策措置が必要不可欠である。多様化・複雑化する土壌・地下水汚染問題を解決するためには、汚染物質の種類や存在形態等を調査・評価する技術、汚染を浄化・対策する技術、ならびにリスク評価・管理技術に係る要素技術の開発のみならず、環境・社会および経済的側面を統合的に考慮した実社会への橋渡しも極めて重要である。この論文では、土壌・地下水汚染問題に係る研究対象、要素技術および社会実装に向けたシナリオの構成を論説し、著者が携わってきた幾つかの研究トピックスを紹介するとともに、今後の展望を試みる。