2012 年 5 巻 1 号 p. 36-52
2008年に創刊された学術雑誌Synthesiology(構成学)に掲載された70編の研究論文を対象にして、構成の方法論を分析した。その結果、研究分野ごとに構成方法に特色があり、バイオテクノロジー分野やナノテクノロジー・材料・製造分野ではブレークスルー型の構成に特徴があり、標準・計測分野で戦略的選択型が多いことが判明した。また、全体としては共通の構成方法として、本格研究においては「技術的な構成」と呼ぶべきものの方法論が重要であり、その研究成果を社会に導入させて行くためには、さらに「社会導入に向けた構成」と呼ぶべきものも連続して起こすことが特徴の一つであることが明らかになった。その際、前者においても後者においてもフィードバック・プロセスが見られるが、後者においては社会的試用によりフィードバック・プロセスを何回も回していくスパイラル・アップとも呼ぶべきダイナミックな構成方法が観察された。