抄録
マグネシウムおよびその合金中の不純物酸素を対象とする簡便かつ信頼性の高い分析手法を開発した。今回、分析対象の不純物酸素を直接分析するのではなく、不純物酸素が含まれる酸化物の部分を試料から分離した後に酸素分析を行うという「多段階昇温法」を考案した。酸化物中の酸素の分析は、金属中酸素の分析手法として広く用いられている不活性ガス融解-赤外線検出法を用いて試験装置毎の温度校正を行うことで、十分な精度での分析が可能であることを実証した。また、これらの研究開発と併行して国際標準化の準備を進めた。韓国への技術協力により日韓両国で整合性のあるデータが得られることを示し、ISO専門委員会への提案を円滑に進めることができた。